定年退職後という悪夢

 定年退職後は悪夢だと思う。仕事一本で生活し、趣味や活動をしてこなかった人達は何に生きがいを見出すのか。

 「悠々自適な生活」と思いきや、あるのは刺激の少ない毎日。よっぽどお金に余裕があるなら別だが、たいていはそうではない。かく言う私の父も定年退職し、再雇用で仕事をしているが、休みの日は一日中テレビ番組を見ているだけだ。本を読むわけでもなく、スポーツをするわけでもなく、家事を手伝うわけでもない。

 「今までたくさん頑張ってくれたんだから、ゆっくりさせてあげなよ」と言う意見がある。それは、あと20〜30年も放っておくと言うことなのか。家族を養う、会社から必要とされる自尊心が無くなったまま、ただテレビを見るだけの日々。

 他人事に思えない。もしかしたら、その父の姿は私の老後の姿かもしれない。働きたい人には働く場を提供するシステム、社会、会社が必要だ。