理想主義は不安を抱いている 中野剛志さんの「経済と国民」を読み途中

中野剛志さんの本「経済と国民」を読んでいる。

その中で、16世紀は理論と実践が対等な人文主義だが、17世紀は理論偏重の教条主義だったとあった。

p.144に「コスモポリスという理想」という見出しがある。

その文頭に

人間は危険や不確実性が高まると不安を覚え、安心を得るために「確実性の探求」へと傾く。

とある。

ザックリ言うと、16世紀に比べて17世紀は国内と国外でも紛争が多く、不安を抱く国民が多かった。

確実性を得るために理想主義が流行った。

 

これを現実生活に照らして見ると、理想主義は「不安」を抱いていると考えた。

不確実なものより確実なものの方が安心する。

確実なものは、例えば「宗教の教え(教えは揺るがない)」や「こうあるべきだ論」という理想のことだ。

 

世間でいわれるところの知識人という人達が、非現実的な事をのたまう理由の一つはこの「不安」だと思った。

この不安によって現実を直視することをやめ、安心を求めて理想に走る。

問題は避けるのでなく、解決して作っていくべきだと私は理想を述べる。

 

経済と国民 フリードリヒ・リストに学ぶ (朝日新書)

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